概念と実体1

概念を用いて考えるということが最近少ない。日本という環境もあるのかもしれないが。コンサルをしていて概念を用いて考えられるかどうかが一つの差別化要因であると感じる。もう一つは現場という実体を見てどのような洞察を引っ張ってこれるのか?ということだか。

概念は「これ!」と指をさせない。一方、実体はその逆。

実体から導き出される洞察というのは、きわめて限定的である。理屈でいれば、確率論になっていくのである。つまりいまこの見た実体が果たして全体を代表する実態なのか?それは結構わからない。だから実行して試すということが大事である。よって時間を食う。時間を食わないためにはスピードをあげる。

一方、概念というのはそもそも包括的である。よって、よく小さい例外的実体によって反証されるが、それはそれでいい。概念とは本来不完全であるが、全体の半分以上を取られていればいいというきわめていい加減さをともなっているからだ。

実体というのはきわめて正確なものだ。いまそこにある確かさであり、他人に対して有無を言わせない力強さがある。

一方、概念はきわめて粗さをもったものだ。いまそこにない。その概念を述べている人の頭の中に存在するからだ。よって概念を伝える際には非常に苦労を伴う。概念を用いて話をでできるある程度の能力も必要とされる。