わざと意地悪なことを言う効用

敢えて意地悪なスタンスの、しかし重箱の隅を突付かない質問は、議論の過程では必要悪である。Devil's advocateというのは、ローマ・カトリックで教義を定め、改定する際に、意図的にその教義に反対の立場(すなわち悪魔の立場)をとることによって、その教義の正当化の議論の隙をチェックし、より強い議論に支えられた教義に鍛え上げていくことを目的として任命される役割、つまりは「悪魔の代理人」のこと。相手の主張の論駁を目指したものではなく、ターゲットとなる主張をより正当化され、より強いものにすることを目的としている点がただの抵抗反論と異なる点。尚、これが実際どのようなものかをより理解されたい人には、映画「ディアボロス」(原題「The devil's advocate」、キアヌ・リーヴスアル・パチーノ主演)を薦める。