「会社はだれのものか」

企業のキャッシュを最大化するための力としてお金の力が弱くなっている時代をポスト産業資本主義としている知見。人とお金どっちの力が強いのか?(これを並列に比べるのは無理があるのは承知で)買うというフレームでみれば、お金なのだろうが、金にも買えないものがある。それは人。企業を買うことと人を買うことは峻別しないと駄目だってこと。たしかに人は企業に雇われているが、それは雇用関係という狭いフレームの中だけの話である。人には自由意思があるからと。ここは個人の自立に関わってくるところだけに日本ではもう少し時間が必要かなと。


お金はそれ自身の増幅において極力人の介在しない市場(金融商品における裁定取引など)に行くのは当然の帰結になることが理解できた。


資本主義は、人間が倫理的であることを必要とした体制として、自己利益追求のアダムスミス的資本主義論と距離を置くのはよく理解できる。ここで思い出されるのは、アダム・スミスをひっくり返したジョン・ナッシュの利益最大化には自己と自己の周りにいる人の利益を追求することという言葉であった。