中国の学生に日系企業はなぜ人気がないのか?

以下のようなことがどこかに乗っていたので思うところもありまとめておく。
①自分自身のキャリアパスについて上司からの明確な説明がなく、将来の自分の姿が描けない。
②評価システムが不明瞭で、自分がどのように評価されているのかがわからない。
③権限委譲がない
④中国人の昇進が難しい
⑤教育研修の機会が欧米系の企業に比べて少ない。
⑥給与が相対的に少ない。

(1)この中国の学生のうちどれだけ日系企業に勤めたのかといえば、学生なのだからない(はず)。つまりその意見のほとんどが本人も誰かから聞いた話である。そしてその誰かとは、また誰か他の人から聞いた話かもしれない。悪い話は実態把握を伴わず広がるので怖い。しかし広まってしまったこういう意識を形成している以上、日系企業は何らかの手を打たなければならない。日系企業という枠を外れることは難しいので何か他の解決策を考えなければならない。

(2)自身の中国駐在経験上、上の指摘は当たらずとも遠からずで、全く根拠のないものではない。とくに①②⑤⑥。

(3)⑥は給料を上げればいいというものではない。欧米系と比較して給料が低いのはもうこれは日系企業の従業員に対する価値観と収益構造、この2点が大きく異なるためである。だからここには手を付けてもしかたない。むしろ②の評価の仕方のほうである、課題なのは。

(4)研修の機会。研修で学ぶよりもOJTという黄金律は仕事の機会と上司のアホバカ度数を掛け合わせたところで決まる。つまり日系企業のOJTはいいときはいいのだが、最悪なときは最悪となる。つまりOJTというのはそれほどリスクが高い。OJ(ON THE JOB)で要求される何かを学ぶ機会が「タイミングよく」あるかということ方が本質である。また、なにより研修の実践にない効用は、内省と全体的な知識の集積にある。これをやらないと部分最適な思考に陥る。実践と研修の繰り返しである。

(5)①の上司は恐らく日本人の上司なのであろうが、そもそも言葉が通じていないはず。言葉とは中国語である。通訳介して評価を伝えているなんてこっけいなことはしていない。「なんとかなるさ言葉なんて」と旅行に行くつもりの言葉レベルで中国人と向き合うのは浅はか。このメンタリティは語学の初学者には必要だが、プロはだめ。旅行や視察と駐在での指揮は目的が違うのだから。