還元主義の限界

「一個の分子について知りたいことをすべて学んだとしても、水の分子の集団が摂氏一度では液体になり、マイナス一度では固体になることは全く想像もつかないだろう。突然生じるこの状態の変化には、分子そのものの変化はいっさい伴っていない。分子間の相互作用のネットワークが作る繊細な組織構造が変わることで生じるのだ。(中略)個々の種や個々の経済活動の主体レベルでの知識がどれだけあっても、現実に集団としての機能を生み出している組織的構造のパターンがわかるなど望むべくもない。」(「複雑な世界、単純な法則」より)
考え方を考える、つまりフレームワークをつかって切り刻んでいっても、その切り刻んでいった、最後に残った断片同士が相互にどう影響しあうかまでしっかり考えないだめ。いや底まで考えても、3つ絡み合ったとき、5つから見合ったときなんて考えきれない。いやそこで考えるのをやめてはいけないだと自省を与えてくれる文章。