ゲーテ曰く、「感覚は欺かない、判断が欺く」

  • 『感動をつくれますか?』(角川書店)

作曲家・久石譲氏の初の書き下ろし本。内容はものづくり論。

感動を作るためのノウハウ本ではないし、
感動という言葉さえ内容として取り上げてはいない。
題名は出版社が付けたものだろう。

ただ、作曲という活動を通じて得たものを「語る」ことで、感性や創造といった説明しにくいものを「説明」してくれている。

意外なくだりは「作曲は論理的な思考と感覚的なひらめきを要する」という箇所だ。
作曲=センスではないと。そして、感性の95%ぐらいは論理性からできているのではという。

しかし、面白いことにこういった俗に言う「創造的」といわれる仕事をしている人が、たとえば茂木健一郎氏、三谷宏治氏、小山薫堂氏と最近の本を何冊か読んでいて、著書内で必ず共通して言及しているのが、「アイデアやひらめきがおきる瞬間は、(意識的に)考えていない時」である、ということだ。だた、それは一定の考えた時間を経て、という条件付であるが。

個人的には、ではその「場所」はと考えると、不思議と、湿気の多い空間。海の近く、シャワールーム、皿を洗っているときが不思議なほど多い。きっと適当な類推だろうけど。。。

こういうめったに文章を書かない、創作活動をしている人の本は何が何でも読んでおきたい。