小さな子どもの素直な疑問

「Mintzberg on Strategy」(ダイヤモンド社)。

「マネジメントはリーダーシップにかかっている。これは教室で教えることはできない」

マネージャーは電話と会議という口頭のメディアを重視する。口頭の情報は人間の頭脳に蓄えられる。そして、その記憶を吐き出すのに時間がかかるから、仕事の権限委譲を躊躇うという視点は新鮮。ミンツバーグの持つ子どもの素朴な問いと斜に構えた常識懐疑主義は、泥臭い世界的経営思想家ともいえる。中小企業の社長にはきっと受けるはずだが、文献の紹介の少なさ故、日本ではあまり有名ではないのは残念。アホと思われかねないけど、本質をはずさない素朴な質問をすることの大事さを教えてくれる。