海外同行時のもう2つの狙い

海外市場へお客さんと同行する時、視察の仕事上の目的以外に2つ達成しなければならないことがある。それは信頼関係を深めること(これは特に視察だけに限ったことではないのだが)。コンサルティングという「人」以外に、代替する商品・サービスが存在しない生業である以上、「相手に受け入れられる関係性」をまず築くことが(恐らく他業界以上に)基本となる。同行視察は同じ空間をそれこそ一日単位で共有することになり、お客さんの人となりが見えてくるという点で否応なく関係性はより深まる。そして同時に相手にとって自分もそうである。
また同時に、異なるカルチャーを持った組織への浸透テクニックを身につけることを意識しなければならない。職業の特性上、異なる風土を持つ様々な企業を見ることになる(これが面白いところででもあるのだが)。そして、企業特有の「政治事情・感情事情・論理事情」にあわせた「実行策の持っていき方」を考えなければならない。ロジックでごり押ししても人はウンとは言わないし、動いてもくれない。持っていき方、つまりそのお客さんにおける事の運び方を勘案した上で、こちらの提案の合意を得る方法。それは風土をしっかり見定めなければ難しい。