ボスの凄さ

コンサルタントなら、というか、人なら誰しも「凄さ」というものを兼ね備えている(多分)。ただ、それをこちらが探そうと意識しないと見つかりにくい人もいれば、気持ちよいほど凄さを見せ付けてくれる人もいる。
今日急遽(実際、こういうことが多い)、大手素材メーカーにアジアでの新規事業の案件で営業。結局CEATEC JAPANは明後日にお預け。その時改めてみたボスの凄さに感銘(してる場合ではないのだが・・・)。
ボスはホワイトボードが大好きだ。体の一部か?と思うほどよく使う。客先でホワイトボードがなければ、「ないですか?」と先方に聞き、それでもなければ、持参していったディスカション・ペーパーをホワイトボード化する。ただ、これが彼の凄さではない。
彼の凄さは、「議論の統制力」(巷では、ファシリテーションとかいうのか?)と「トップの本質的悩みを引き出す力」(どこのパートナークラスもそうなのかもしれないが)。
ホワイトボードを使う特別な効用は大きく言って2つある。一つは議論の可視化、もう一つは、議論に集中させる(人vs人の対立をもたらさない)こと。ホワイトボートに皆の視線を向けたまま、厳しいことをさらっと言い切る。でも、場が沈まない。むしろ、議論が加速する。きっと場にフィットする言葉を選ぶスピードが常人より格段に速いのかもしれない。こういうのを名人芸の領域というのかもしれない。
後者に関しては、表面的な言葉では表されない悩みを言語化する力といってもいい。
まだまだまだまだ雲の上の人という感じ。そして、常にニコニコしながら、ブツブツ質問してくる。「(人の放った言葉に対して)これって一体どういうことなんだろう?ねえ、I君。」恐ろしいほど本質の探求者であり、give and giveの人です。年齢にして10歳も離れていない。さて、次の10年でこの領域に達するのか?いや達しなければ。