やはりボーダーは存在する?

「国際競争をしていない事業は生き残るのが難しい。海外で勝つ力がなければ事業は継続できない」と携帯電話事業撤退を決めた三菱電機社長による撤退の教訓。「日本で勝てば世界で勝てる」という一時期の雰囲気とは対極の教訓。きっとこの当時の教訓には「超ハイエンドセグメントに絞っていえば」という枕詞があったのかもしれない。ただ、ハイエンドはローエンドがあって初めて成り立つセグメントであるという忘れがちな原則もある。いきなり新興国にハイエンドを投入して、庶民の「あこがれの商品」となることなどあり得るのだろうか、というのが一つの大きな疑問。ところで、「日本で勝っても世界で勝てない事業」は規制・鎖国業種だからつまんない。「日本で勝って世界で勝てる事業」は、実はそんなに多くない(3業種程度)。そして、実は、魅力的なのは「世界で勝てるが、日本で勝てない事業」なのかもしれない。