『12人の優しい日本人』

シドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」と併せてみることで、面白さが倍増する映画をやっとみることができた。

「理由は?」

映画の中で頻繁に出てくる台詞だ。

「理由はわからないけど、なんとなく違う感じがする。そんな人には見えない」

という答えの台詞に代表されるような良くも悪くも「人間の思考特性」を、「日本人の思考特性」としてデフォルメしながら、12人の陪審員の議論の進め方の中にてんこ盛りにしている。

ものごとを考えるときの思い込みや感情移入は、「正しい答え」へたどり着く際には障害になるとされる。

だだ、「正解はない」としたら・・・。

そもそも正解なんてない方が、正解からの呪縛から解かれてのびのびできるという観点ではよいのだと個人的には思うけれど。