『さらばアメリカ』

 恐らく、自分にとって補強しなければならない脳みその姿勢なるものの筆頭に挙がられるのかもしれないのが、「OUT-OUT」のグローバルの動きへの情報感度。つまり、日本以外の国同士、あるいは地域間での動きに対する情報収集、解釈、そして価値判断。そして読了後、全くそれができていないと、悲しいがキッパリと言える。

 日本人(いやここで自分の国籍を持ち出すこと自体がナンセンスなのかもしれないが、それでもあえて持ち出すならば)として、ロシアとベトナム、アメリカとタイ、この際どことどこだっていいのだが、世界に200以上の国・地域があり、その相互関係の数は計り知れない中で、どれだけ自分は日本以外の「OUT-OUT」を語れるのか。

そういう観点でみた時、この本の内容や解釈、価値判断そのものよりも、「OUT-OUT」を観る枠組みが脳みそにしっかり埋め込まれていることの大切さを思い知らされる。何よりも今の職務に求められることであるが故に。