「99.9%は仮説」

主張は、「すべては仮説に始まり、仮説に終わる、である。
科学という切り口から仮説を本当にわかりやすく説明した本。仕事柄仮説を産み出す事、それを裏付ける作業(厳密には100%というのは難しいが)が多い。大変なのは、前半の産み出す部分。仕事の最初の段階で、「業界を知る」ということ(網羅的にやってもかなりの限界があるが)をやるのは、「業界固有の仮説」は何かを浮き彫りにするためである。それ以外は2次的なことだ。そしてそれを疑うあるいは信じるのが、業界外にいる人の仕事。
業界の中にいれば、内から自らのいる業界の世界を見ているため、往々にして、業界がどういう仮説に拠って立っているかが見えにくい。決して見えないわけではない。はっきり見えている人も結構いる。

貴方の業界はどんな業界ですか?と業界で働いている人に聞けば、人によって異なるが共通する数種類の「大きな仮説」が浮き彫りになる。そこからどんどん深堀りしていく。そしてそれらのすべての仮説に私の心の中でクエスチョンマークをつける。それが始めの一歩。

「仮説を倒すことができるのは、仮説だけである。古い仮説を倒すことができるのは、その古い仮説の存在に気付いていて、その上で新しい仮説を考えることのできる人だけ。」

「仮説というのは一つの枠組みですから、その枠組みから外れたデータはデータとして機能しない。」
「世界の見え方自体が、頭の中にある仮説によって決まっている。」
「100%わかっていないのに、100%わかったかのように強制的にみんなに教えてしまうと、誰もが先入観として持ってしまって、疑問に思う人がいなくなってしまう。」

「そんなことありえない」と頭ごなしに否定するのではなく、「限りなく黒に近いかもしれないけれども、これもやっぱり仮説の一つだ。」

「話が通じないというのは、自分の仮説が相手に通じていないということです。また自分が相手の仮説を自分が理解していないということでもある。」
「「間主観性」とは「相手の立場になって考えてみる、ということ。」
「客観とは、世間の誰もが白に近いと認める仮説に従う、ということ。
主観とは、世間とは関係なしに自分だけが白と認める仮説に従う、ということ。」
「世の中に100%の客観などありえない。」

そして当然、未来は仮説だらけなのだ。