変わった時のちゃんとした説明責任

部下は上司にその考えの一貫性を期待する。ころころ変えられては、部下の仕事は回らないからである。

しかし、上司の持つ考えと時々に応じたやり方というのは現実レベルではかみ合わないことがほとんどだ。変更することのほうが多いと言える。

そこで、「考え方を変えたこと」が部下の信頼を落とさないためには、「変えたことを先に宣言して、その理由を話すこと」だ。それは論理的であれば理想だが、もっと大事なのは、「いつのまに変わったの?」と部下に思わせないこと。

「こっちはあなた(上司)の前の考えをベースに考えているのに、あなたはいつの間にか考え方がかわっているじゃない。」と思った以降の部下というのは、上司の考えの安定性に極めて懐疑的になる。「また変わるし、変わった理由を教えてくれない」と。

しかし、変わったことを宣言されてその理由を説明することで、部下はその変わった後のアイデアに対して「心の準備」はできるようになる。少なくとも、「知らない間に変わっていることを知った時よりは」。

つまるところ、「知らない間に(上司の考えが)変わっている」ことを当事者(部下)が知らないというのは、どんな立場にあっても不愉快かつ心のモチベーションを下げるものだからだ。