平時の人間関係、戦時の摩擦関係

「やっぱり人間関係(しっかりやっておくことが大事)である」との決まり文句には常々疑問を感じてきた。
そういう台詞の人間関係というは、「自分の働きやすさ」を中心においた考え方であるからだ。つまり、「今、「私」が手元にある仕事を順調に進めるには、円滑な人間関係を保っておくことが重要である」という考えである。疑問であるというのは、やはり、「半分は」当たっていないのではないか、と思うからである。こうだ、という絶対解があるように考えること自体が生理的に嫌いであるのも関係していると思う。

上記の決まり文句は、それはそれで納得である。自分の働きやすさというのは、自分の職場における人間関係が大きく影響する。しかし、それは平時においてである。平時に見える会社が多いのも、今の景気の中では事実である。
仕事の特性上であろうか、変革がもとめられる職場、つまり戦時である場所に居合わせることが多いせいか、平時の人間関係を維持しようと努めれば、まず会社は変わらない。
摩擦が起こっても崩れない人間関係。それが重要だ。その意味合いでやっぱり人間関係というのなら話は別だ。
「競争力は心地よさからは決して生まれない」