業界=自分というアイデンティティーだからか?

仕事が細分化してしまうと、
仕事=自分というアイデンティティーを持ちづらくなる。
すると、結局やっていることよりも、
属している組織・業界にアイデンティティーを持つ方向に力が働く?

その分析もおもしろい。
本書が最重要視する条件とはなんだろうか。
(中略)本書が何よりも重視するのは、
人々の(そしてコミュニティや国同士などの)信頼関係だ。
それが何より世界を規定する。
そしてもう一つおもしろい視点は、
世界(の人々)が重要視するものをすべて満足させることはできない、
という冷徹な認識だ。

人々が重視するのは、効率性、セキュリティ、社会のまとまり。
それぞれとても広い概念ではある。効率は、まあ経済効率がいちばん大きいだろう。
セキュリティは、軍事的な安全保障から対テロ、食の安全や環境、不正取引といった、人が漠然と不安と思うものからの安全すべてを含む概念。社会のまとまりは、社会格差や愛国心やコミュニティ意識(日本ではなぜか愛国心というのを、通常のコミュニティ意識や仲間意識と別の悪い物だと考える人が多いけれど、これらはまったく同じものだ)などを含む(山形浩生氏)。