「競争が激しい」を構造化する

  • 漠然と使っている「競争が激しい」とはいったい何なのか?

「そもそも、だからどうするの?」ということのほうが本質的に重要だが、
いま、ホントに競争って激しいの?をちゃんと知るにはやはり根拠が必要。
「競合がいる」から競争が激しい、というのはお門違いな思考。
競争が激しい業界にいることと本人のパフォーマンスは全く関連性がないというのも
競争が激しいか激しくないかを、構造化すると(コンサルの力量の見せ所?)、
①参入企業の多寡
②商品・サービス数の多寡
③商品のライフサイクルの長短
④お客のスイッチング・コスト
⑤商品の特徴における同質性
競争に勝ちたいなら、競争しない。
ほんとはこれが理想なんだが、
そうも行っていられないのも現実。

  • カーナビの提供価値

先日、レンタカーで地方の顧客のところへ行く事があった。
行きと帰りで2回、カーナビを使う機会があったのだが、
ちょっと違和感を感じた。
そもそも、カーナビは、こっちの指定した目的地まで案内してくれる、というのが提供している価値。
そもそも、それだけの提供価値では、差別化なんてともておぼつかない。
カーナビの最大の欠点は、「カーナビが目的地まで提供してくれることはまずない」ということ。
そんなの当たり前と考えるというのは、カーナビという常識の範囲に絡め取られているだけになりかねない。
カーナビというのは、マン・ナビに変わっていくことで別の提供価値を持つことができる可能性がある。
人がインプットをいれて、それを「効率的に」こなすのが今のカーナビ。
人がインプットをいれて、それに「効果的に」こなすのが将来のマン・ナビ。

目的地までのルートではなく、目的地そのものを提示してくれる、そのようなマン・ナビが
差別化の主要要素になる、という仮説はどうだろう。
きっと、馬鹿な考えに違いないのだが、ほとんどの商品が
最初は失笑をもって受け止められることも忘れないようにしたいものだ。
それは、商品そのもののアイデアより、人間のもつ抵抗力が大きな役割を果たしていることはすでに証明されていることだし。