「経営力」での差?

  • 現場の善意を活かせていない経営力

産業再生機構の秋池玲子氏が最新の日経ビジネスで曰く、「働く人には大抵、「こうしたらいいのにな」と思っていることがある。しかし、いくら善意があっても、人間は「やった方がいいこと」より、まず「やらなければならないこと」を優先するものだ」と。今、いろんな所で聞くと、マネージャーがいつの間にか、プレイング・マネージャー(手を動かす管理職)という変な名称をつけられ、やらなければならない事、手いっぱいの状態で抱えて疲弊している姿が浮んで来る。現場のやったほうがいいという善意を聞く人もおらず、そのため当然実現されることもない。

  • 絶対的に正しい評価はないけれど

評価に必要なのは、公平でなく、公平「感」。では公平感はどこから生まれるかというと圧倒的な量の対話だそうだ。なんかベタな理屈だが、今のところこれしかないのも今の人間の知性の限界なのかもしれない。

  • コーチング=聞く、といっても過言ではないのかも

某コーチ・トレーニング・プログラムには「聞く」チェックリストがある。自分に「聞く」力がどれだけあるかというリトマス試験紙のようなものだ。ではその一部を早速。
a) 私は人の話を聞くのが好きだ。人が話しているときは、うなずいたり、微笑んだりして興味を示し、相手の話を促す
b) 話しかけられたら、自分のやっていることを脇に置いて、相手に完全に注意を向ける
c) 人が話しているときには、相手が全部話し終わるまで時間をとる。途中で口をはさんだり、相手が言おうとしていることを先走って口にしたり、いきなり結論に飛びついたりするようなことはしない
d) 話を聞いている時には、相手のノンバーバルなメッセージに注意を向けて、相手が何を伝えようとしているのかを全部理解しようとする
e) 聞いていて分からないときには、話し手にそう伝える
f)会話の最中に、正しく理解できているかどうかを確認するために、相手の言ったことを自分の言葉で繰り返すことがある
大学生や社会人のまだ日の浅い頃これをやっていたら恐らく間違いなくゼロ点。d)は顧客のヒアリングでは最難度。相手のことを理解しなければ、相手が何を求めているのかは判りにくい。顧客のヒアリングをする度に思う。修行修行。