グローバル事業ネタ2つ

  • 台湾勢十八番のパターンまた再び

台湾の半導体大手2社(DRAMで世界7位の力晶半導体と同8位の茂徳科技)が2009年をメドに携帯音楽プレーヤー向けに需要が拡大しているNAND型フラッシュメモリー市場(韓国サムスン電子と東芝で世界シェアの約7割を占める)に参入するそうだ。ちなみにインテルも参入表明している。PC、DRAM、そしてフラッシュメモリーと台湾勢またかのパターン。コモディティーになった設備投資先行型商品に途轍もない金額を投入して、価格競争力で抜き去るという、台湾勢お得意のいつもの専業化一点集中突破パターン。さてどうする東芝。NANDの辛い所は、使用されるセットが限定的であること。自動車に使われたら(高品質スペックの東芝自動車産業特有の理由により「ある程度」有利かも)理想的だが、台数の掃けるパーソナルな他商品にも活路を見出さないと。ただ、台湾勢が大量の設備投資を浴びせてくるのは必死で価格勝負の世界。今はドル箱とはいえ、2012年頃までに東芝は決断迫られるかもしれない。

サントリーは2010年までに海外事業の売り上げを06年12月期に比べて2.2倍の4000億円に拡大する。M&A(企業の合併・買収)資金として2000億円を準備しており、ビールや清涼飲料で現地企業の買収を加速する。特に中国を中心としたアジアに力を入れる。2000億円の使途について「中国や東南アジアへの投資を最優先する」(佐治信忠社長)。いわゆる「玉」(ギョク)を持って大阪本社詣でする投資銀行、あるいはその手の輩が一気に増えそうな。