理由が要るとき、いらない時

中途採用面接で必ず聞かれる質問としてあるのが“なぜ○×社を辞めたのですか?”
この質問の意図は、結局すぐにやめたりしないしないか、否定的な理由で会社を辞めていかないかを確認するため、という“タテマエ”の説明がなされる。“ホンネ”はいかにネガティブな事実をポジティブな説明に構築しなおす能力があるかどうかを確認するためである。ロジカルなコミュニケーションの有無の確認でしかない。

では、なぜ面接官は今会社にいる人たちに聞かないのだろうか?
“なぜこの会社を辞めないのですか?”
離れることに対して、つまり変わることに対しては理由が必要だが、離れないことに対して、つまりいまやっていることに対しては理由が必要ない(または、理由が生まれてくる余地が少ない)ということである。
だから、いまやっていることを辞める理由を探すというのは、非常に難しい。今やっているということ事実そのものが辞めるという理由の生まれる余地を阻んでいるからだ。(まあ当たり前といえば当たり前なのだか)